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糖尿病治療のために糖質制限を開始。血糖値は安定

この記事は60代の男性に書いていただきました。

………

 今回は私の糖尿病体験談と、治療食として食べている糖質制限食の効果についてお話します。

 人には語れない惨めで情けない糖尿病体験。このままだと私と同じ経過を辿る方がいる筈です。「反面教師」、「人の振りみて我が振り直せ」の言葉もあります。私の糖尿病体験が血糖コントロールの近道になれば幸いです。

【プロフィール】 ※2017.12.10現在

・昭和26(1951)年生まれ66歳。

・身長 186cm

・体重 71.0㎏(±1.0㎏)※最高90㎏

・糖尿病歴 35年以上 

・血糖値データ(HbA1c) 6.8%% 2017.11.15

・糖尿病療法 カロリー制限食/経口薬/糖質制限食(自己判断)

・経口薬

メトホルミン塩酸塩錠250mg(血糖降下)

ダルメビリド錠0.5mg(血糖降下)

ボグリボース錠0.3mg(血糖上昇抑制)

※上記以外、コレステロール値降下剤、尿酸生成抑制剤があります。

・酒量 
大好物の日本酒(2~3合 年10回程度)、ビール(乾杯程度)、焼酎・ハイボール(週1回1合又は500ml)

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糖尿病発症

 若い頃から運動が大好きで、整形外科の世話になっても内科、消化器科等の世話になるとは思っていませんでした。

 ところが、初めての成人病検診(人間ドック)で「糖尿病(要治療)」宣告を受けました。一般的には「再検査」、「経過観察」の段階です。空腹時血糖の値がかなり高く、この時から長い糖尿病生活が始まりました。

 糖尿病は中年太りの病気(今は若い人でも増えています)。かなり運動もしているし大丈夫と勝手に解釈していました(後悔)。痛くも痒くもないこともあり、当時取り組んでいた大きなプロジェクトを理由に診察を先延ばし。仕事の疲労感はありましたが糖尿病の自覚症状(倦怠感、疲れやすい)とは思っていませんでしたから、相変わらず深夜の飲食が続いていました。

 今になって思えば運動をしない時でもよく喉が渇き大量に水を飲むし、運動時にはスポーツドリンクを大量に飲んでいました。非常識といわれても仕方ないですが「火に油を注ぐ」行為でした(今なら絶対にやりません。)。

 「要治療」の判定が下ってから半年以上たってから、やっと近所の医師(今でも主治医)のもとに・・・・

『糖尿病は生活習慣病。食べ過ぎに注意して適度な運動を心がけること』

『体験入院して食事療法の指導を受けること』

以上の指示を受けましたが、この指示(生活習慣の見直し)も仕事を理由に先延ばしにしました(後悔)。

静かなる病魔「糖尿病」の恐ろしさ

 「食べ過ぎに注意して適度の運動」の指示を受けた後の病院通いは仕事を理由に行ったり、行かなかったりと適当でした。

 主治医の怒ったのか、呆れたのか、『このままでは投薬治療になりますよ。その次はインシュリン注射が必要になる。しっかり頑張りなさい。』と強く指導するとともに月1回の血糖値検査が言い渡されました。

 その最初の検査で、なぜか「C型肝炎」の検査を行いました。その結果は、相変わらず血糖値は高く、C型肝炎の検査の方では「陽性」反応がでました。このままだと肝硬変から肝臓癌になる可能性が高い。入院して精密検査と治療を受けることになりました。

 入院直後、担当医から治療計画の説明を受けたときのことを今も忘れません。
 
『血糖値が非常に高い。このままでは肝臓の治療に入れない。まず食事療法による血糖コントロールを行なう。結果が出なければインシュリン注射で血糖値を安定させてから「肝生検」(直接、肝臓から細胞を採取する検査)を行ない、状況確認して治療に入る。』

 担当医の説明に驚愕するとともに、糖尿病がこんなに身体に影響するものであることを思い知らされ「糖尿病は怖い。」と感じた瞬間でした。

「カロリー制限食」が効果なかった

 入院したその日に「糖尿病の栄養指導」を妻と一緒に受けました。入院中の食事はカロリーを制限した糖尿病食。摂取カロリーは約2,800Kcal。身体が大きかったので一般の患者より200kcalほど多いと説明を受けました。

 更に運動療法を兼ねて病院周辺を自主的に歩きました。毎朝、空腹時血糖を測定しましたが、2週間程度経過しても血糖値は簡単には下がってくれませんでした。このままではインシュリン注射になる恐怖のなかで悶々とした入院生活でした。

 それでも入院から4週間が経過した頃、C型肝炎ウィルスの精密検査(肝生検)が行われました。インシュリン注射をしないで乗り越えたことが嬉しかったですが、その結果は「陽性」でした。アウトでした。

 その翌日から本格的な治療が開始されました。インターフェロン注射を土日祝日、年末年始も関係なく一日おきに約半年間注射してウイルスを駆逐する治療です。注射した直後から強い副作用(悪寒、吐き気、筋肉痛、倦怠感)に襲われました。副作用が収まる頃には次の注射。この繰り返しでした。打ち始めて2週間後に身体が副作用に慣れたという判断(こんなもの慣れる訳がない)で退院。

 それからは仕事の合間に病院で注射を続けました。治癒率30%といわれる治療でしたが、効果判定は「陰性」。ラッキーでした。その後、経過観察となり担当医から主治医のもとに還されました。

 退院後もカロリー制限を意識した生活を続けて、体重も80kgを大きく下回り、血糖コントロールも正常値にあと少しのところまでになっていました。

 「陰性」判定から1年か経過してC型肝炎は「治癒」となりました。その判定があった頃から体重が増え始めて、空腹時血糖値も200mg以下に下がることがなくなり上昇してきました。

 なぜ血糖値が上昇していったのか。カロリー制限食のせいではなく、「食べ過ぎても、お酒を飲みすぎても1日1万歩歩けばOK」など自分の勝手な解釈がいけませんでした。こうして退院後の日常生活(約1年程度)を過ごした結果、体重も血糖値も入院前の状態に逆戻り。ついに投薬治療(血糖降下剤の投与)が始まりました(後悔)。

血糖降下剤の効果が続かなかった

 投薬治療(血糖降下剤の投与)は確実に成果を上げました。投薬が始まったショックもあって、再び、本来のカロリー制限食を意識して日常生活を過ごしたことも効果的だったと思っています。

 ところが、投薬治療により血糖コントロールが安定すると「喉元過ぎれば・・・・」、気が付けばカロリー制限食の基本を大きく捻じ曲げて「今日は大酒大食したから明日は控え目にする」、「今日は甘いものを食べたから明日は食べない」、「日本酒を呑んだから今日は飯を食べない」等など、家族には言えないような言い訳を心の中で繰り返し唱えながら生活していました。

 遂には「空腹時血糖であれば検査の少し前から摂生すればなんとかなる」と思うようになり、その結果、血糖値は高値安定、上昇傾向となり『投薬には限界がある。効果がでなければインシュリン注射にする。』と言われ、薬の種類と増量が告げられました。投薬開始以来のショックでした(後悔)。

 この事態に至るまでには、随分と長い時間が経過していました。その間、カロリー制限食のために多くの好物を諦めてきました。好きなものを気兼ねなく食べたい欲望はストレスとなり、合併症やインシュリン注射への恐怖もストレスとなる中で暮らす毎日は、自業自得とは言いながらも辛く、とてもやり切れないものでした。

 さりとて開き直って人生を諦めることはできない。まだまだこの世に未練があり、そんな悶々とした毎日がいつまで続くのか自問自答する日常が続きました。

糖質制限を開始

 自虐的ともいえる精神状態にあったその頃、マスコミでは太った著名人がライザップの30日間トレーニングで筋肉体型や痩身ダイエットに成功した映像が流れ、一躍ブームになっていました。

 徹底した栄養管理と専門的なトレーニング。成功するのが当然。痩身ダイエットも糖尿病治療も共通点があって、どちらも生活習慣として継続しなければ効果が持続しないものだと傍観していました。

 そんなある日、妻が「糖質カット」が血糖コントロールに効果があると言い出しました(まだ見放されていなかった。素直に有難いと思いました)。

 しかし、「糖質カット」で血糖コントロールできるのか。栄養バランスは大丈夫なのか。糖質の多い食物を制限するのであれば制限品目が増えるのではないか等々。素直に「糖質制限食」を受け入れるのに少し時間がかかりましたが、八方塞がりの状態でしたから「糖質制限食」を開始しました。

 可能な限り「食べたい物を食べ、呑みたい物を呑むこと」を目標にしました。その結果、食べられる料理が増えてもなお、8%あった血糖値は(Hba1c・国際基準)一気に6%台となり現在に至っています。

主治医からは『最近、とても優等生になったね。引き続き頑張りなさい。』

 とても機嫌よさそうに話してくれていいます。この年になっても褒められるとやる気が起きるものですね(主治医は、私が「糖質制限食」をやっていることを知りません)。

 いまでは毎朝、体重を測定して「前日の食事等」との関係を比較しています(義務的になるのを避けて記録はしません。結構、楽しめます)。

 こうした生活を続けているのですが、糖質を摂りすぎると血糖値が上がります(当然ですが)。そんな時でも元に戻せば血糖値が下がることが分かっているので悲観的な気持ちにはなりません

 随分、遠回りして家族に心配と迷惑をかけてきましたが、今度こそは本物の健康体になって恩返しをしたいものです。どうか皆さん、頑張ってください。頑張りましょう。

余談

★効果的な代用食材等 
①おから(米飯の代わり)を定期的に近所の豆腐店から3~4kg単位で購入

②豆腐干糸(麺類、パスタの代わり)
※台湾産の冷凍品

③ふすまパン(パンの代わり)
※ふすま(小麦のぬか)を原料に作られたパン(家庭用ふすまパン製造機1万円前後でネット通販により入手)。一回一斤を作り小分けして冷凍保存して使用。

④甘味料「ラカントS」(砂糖の代わり)
※天然自然の甘味料。魚の煮付け、煮物、稲荷寿司の油揚げの煮付など、砂糖を使用するほとんどの料理に使用

⑤日本酒 ※原則禁止
糖質ゼロ焼酎又はハイボール(日曜の夕食時)

 糖質制限ができればカロリー制限で食べなくなった物(ハンバーガー、カツサンド、ハムソーセージ類、乳製品等々)も食べるようになり、時々の外食は寛容なものになって食に対するストレスはほとんど無くなりました。

 また、最近、カップ麺やパスタに糖質50%カットを表示するものが店頭に並ぶようになり、発泡酒、日本酒、焼酎にも糖質セロを掲げるものが目立つようになっています。ダイエット(痩身や体型維持)に努める女性たちの執念の賜物と感謝しています。

《ある日の献立》

(朝食) ※毎日、同じです。
・無縁トマトジュース(質の良いオリーブオイル少量)

・目玉焼き1~2個(前日の体重が減少の時は2個)

・野菜(トマト8分の1切・温ブロッコリ少量)

・自家製無糖ヨーグルト(ヨーグルト約70g、おから約70g、カカオ粉末少々)

(昼食)
・豆腐、又はふすまパン
・鳥の胸肉の酒蒸し、又はサバの水煮
・ベビーチーズ2個
・インスタントスープ

(夕食) 
・温キャベツ玉ねぎの酢漬け添え
・メイン(煮魚、焼魚、豚肉のロースト、ハンバーグ、おからグラタン等々)
・野菜の煮びたし
・サラダ
・けんちん汁、又は豚汁など
・おから

[参考記事]
「糖尿病のため糖質制限を開始。15キロ痩せて血糖値は安定したが..」

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