糖質制限では「白米よりも玄米の方がいい」と言われていますが、これはGI値を根拠にしています。GI値については「血糖値を上げやすい高GI食品とは」で説明していますが、簡単に説明すると「炭水化物が血糖値を上げる強さ」です。
GI値は同じ米でも白米と玄米とでは違います。
白米のGI値は約89、糖質は100g当たり約37g
玄米のGI値が約62、糖質は100g当たり約34g
玄米はGI値も糖質も白米と比べると数値が低いですので、白米よりも玄米の方を勧めるわけです。
しかし、糖尿病患者が白米と玄米を食べた場合、血糖値の上昇値はほとんど変わりません。つまり、このGI値は健康な人を想定して作られていますので、糖尿病の人には当てはまらないということです。
糖尿病の状態により違いますが、白米と玄米どちらを茶碗1杯食べても血糖値は200mg/dlを超えてしまいます。健康な人の食後血糖値の「正常値」が140mg/dl未満ですので、糖尿病患者は玄米だろうと白米だろうと制限することが必要です。
お米は糖質制限でどれくらい食べられるのか
まずは糖質制限食の定義を確認しましょう。
〇厳しい糖質制限の1日の糖質摂取量は60g以下(1食20g以下)
〇緩い糖質制限の1日の糖質摂取量は70gから140g(1食23.3gから46.6g)
先ほど白米の糖質は100g当たり約37g、玄米の糖質は100g当たり約34gとお伝えしましたが、例えば緩い糖質制限の1日140gに糖質量を設定したとするとどれくらいお米を食べられるのかを計算してみましょう。140gを3(朝昼晩)で割ると1食46.6gです。1食46.6gの中でお米を100g食べただけで既に37gも糖質を摂ってしまう事になります。この他にオカズで10gの糖質を摂れば46.6gくらいになります。
例えば肉or魚、野菜、納豆、豆腐、味噌汁という日本人が良く食べるメニューで糖質を計算すると….
肉or魚には糖質はほとんど含まれていません。
野菜はキャベツを200g食べたとすると糖質は6.8g
絹ごし豆腐50gの糖質は0.8g
木綿豆腐50gの糖質は0.6g
(豆腐1パック約300g)
納豆50gの糖質は2.7g
ひきわり納豆50gの糖質は2.3g
(納豆1パック45gから50g)
ワカメと豆腐の味噌汁の糖質は2gくらい。
合計で約12gほどです。
白米だと多少46.6gを超えてしまいますが、玄米であれば丁度収まります。
栄養で較べるならは玄米
健康な人が糖質制限を行なう際にはもちろん白米より玄米の方がいいです。白米と玄米を較べると100g当たりの糖質の量は3gしか変わりませんが、栄養成分は玄米の方が豊富です。
玄米のカリウムは白米の2.5倍もあり、その他の成分も圧倒的に玄米の勝ちです。
マグネシウムは5倍
リンは3倍
鉄は2倍
食物繊維は3倍
その他ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6も玄米の方が多いです。ですので、健康な人が緩い糖質制限(1日の糖質140g)でお米を食べる場合には玄米をお勧めします。
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