炭水化物は脂質、タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つですが、その特徴をまとめると
①
炭水化物は大きく分けて「糖質」と「食物繊維」に分けることができます。
炭水化物=糖質+食物繊維
「糖質」は
単糖類(ブドウ糖や果糖)
二糖類(砂糖やショ糖や麦芽糖)
多糖類(オリゴ糖やデンプン)
糖アルコール類(キシリトールなど)
高甘味度甘味料(アセスルファム Kなど)
に分けることができます。
この中の「単糖類と二糖類」は「糖類」と呼ばれています(つまり、糖類は糖質の一部ということです)。
高甘味度甘味料のアセスルファム Kは発癌性があるとして問題視されている糖です。
「食物繊維」は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けることができます。食物繊維も多糖類の一種ですが、オリゴ糖やデンプンなどの多糖類と違って消化されません。
食物繊維の必要量は1日20gほどですが、ほとんどの人が足りていません。
②
糖質1gにつき4キロカロリーのエネルギーを生み出します。炭水化物は体内で分解されるとブドウ糖になりますが、これをエネルギー源として脳などの体内組織を動かしています。
ちなみに、脂質は1gにつき9キロカロリー、タンパク質は4キロカロリーです。
炭水化物の栄養学的な主な役割は、脳、神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋等、通常はぶどう糖しかエ ネルギー源として利用できない組織にぶどう糖を供給することである。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 より引用
③
糖質は1日に約250gから300g必要というのがこれまでの定説です(しかし、これに疑問を呈する医者もいます)。糖質約250gから300gとは総摂取カロリーに占める糖質の比率でいうと約60%です(日本人の平均)。
糖質制限食の1日の糖質摂取量は以下の通りですが、日本人の平均糖質摂取量と比べると大きく違います。
〇厳しい糖質制限の1日の糖質摂取量は60g以下(1食20g以下)
〇緩い糖質制限の1日の糖質摂取量は70gから140g(1食23.3gから46.6g)
では炭水化物からのエネルギー(ブドウ糖)の供給がなくなった時にはどうなるのか?糖質制限(炭水化物抜きダイエットなど)をしている時など食べ物からのブドウ糖の供給が少なくなった場合、中性脂肪からブドウ糖を作るようになります。この体内システムを糖新生と言います(参考記事「糖質制限の疑問①筋肉とコレステロールは増えるか減るか」)。
④
日常の食べ物で炭水化物が多いものは
お米
小麦粉を使った商品(パン、うどんなど)
片栗粉
サツマやジャガイモなどの根菜
砂糖を使った商品
例えば普通茶碗で白米を食べると約55gの糖質を摂ることになります。これだけで厳しい糖質制限の1日の糖質摂取量は60gに近くなります。ですので、お米は通常、緩い糖質制限の場合のみ食べます。
詳しくは「糖質制限の疑問③食べていい、食べていけない食べ物って何?」の中の「食べてはいけないもの」を参考にしてください。
また、ジュースの原材料名に「炭水化物」と書いてあったら、ほぼ糖質と思ってください(参考記事「野菜ジュースの主成分は糖質。糖尿病に気を付けて」)。
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