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糖質制限で牛乳は飲んでも大丈夫か?

 

 牛乳には乳糖が含まれていますので、糖質制限をしている人は飲みすぎてはいけません。例えば雪印メグミルク牛乳 200mlに含まれている炭水化物の量は9.6gです(角砂糖(4g)に換算すると2.4個分)。牛乳には食物繊維が入っていませんので、この炭水化物9.6gは全て糖質(乳糖)です(炭水化物は糖質+食物繊維)。

 しかし、牛乳の糖質は一般的な砂糖のような糖質と比べて作用が複雑です。例えば2型糖尿病患者の場合、砂糖のような糖質を摂ると1gに付き3mg血糖値が上がりますが、牛乳やヨーグルトの場合にはそれよりも上昇幅は小さいのです。

 なぜなら、牛乳やヨーグルトの糖質である乳糖は血糖値をそれほど上げないからです。乳糖はグルコース(ブドウ糖)とガラクトースから出来ていますが、ガラクトースの血糖上昇作用は一般的な糖質と比べると弱いのです。

 また、ヨーグルトの場合には乳糖の30%ほどが初めからグルコースとガラクトースに分解されているのですが、牛乳の場合は乳糖がそのままの形で存在しています。ですので、その乳糖が血液に吸収されるためには小腸でグルコースとガラクトースに分解される必要があるのですが、乳糖分解酵素を持っている人は日本を含めアジア人には少ないと言われています(日本人は約2000万人の人が乳糖分解酵素を持っていません)。私も牛乳を飲むとお腹が痛くなるので、恐らく乳糖分解酵素は少ないです。

 乳糖分解酵素が少ない人はグルコースとガラクトースに分解される量が少ないため乳糖を摂っても血糖値はそれほど上がりませんので、牛乳を飲んでも問題ありません。しかし、罰ゲームではありませんので、お腹痛くなってまで飲む意味はありません(笑)

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ヨーグルトと牛乳の血糖値の上がり具合

 2型糖尿病(普通体型の人)は1gの糖質で3mg/dl血糖値が上がるのが通常です。糖質制限の権威 江部先生は昔2型糖尿病だったそうですが、ご自身の体で牛乳とヨーグルトどちらが血糖値の上がり方が大きいかを実験しています。

 その結果、血糖値は…
牛乳の糖質(乳糖)1gに付き2.2mg上昇
ヨーグルトの糖質1gに付き1mg上昇

 ですので、牛乳の方が血糖値の上がり方が大きかったのです。ということは牛乳の方が体に吸収される糖質量が大きいことを意味します。もちろん、これは先ほど言った乳糖分解酵素を持っているか、持っていないかで大きく結果は違います。

 血糖値が上がるということはインスリンの分泌を促すのですが、そのインスリンは糖を脂肪に変える作用があります。そうすると中性脂肪が溜まり太りやすくなります。ですので、江部先生の場合には牛乳の方が太りやすいということになります。

 糖質制限を実践中の人は牛乳ではなく、ブラックコーヒーorお茶系にしましょう。

[補足]
 牛乳の健康効果については賛否両論ありますが、個人的には牛乳は体に良くないと考えています。なぜなら、イギリスの医師会が「牛乳を飲みすぎると癌のリスクが増す」と発表しているからです(参考記事「英国医師会が牛乳は癌のリスクを高めると発表」)。

 昔から、牛乳は牛の赤ちゃんの飲み物で人間が飲むべきではないと言われていますが、それが正しかったということになります。

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