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低炭水化物食(糖質制限)で2型糖尿病リスク低下(国立がん研究センターの研究)

 

 国立がん研究センターが炭水化物の摂取量が低い人ほど、糖尿病(2型糖尿病)のリスクが低下すると発表しました。「一番少ない量の炭水化物を摂るグループ」は「一番多い量の炭水化物を摂るグループ」に比べて40%2型糖尿病のリスクが減りました。

 しかし、この研究は女性に関してだけ「炭水化物と2型糖尿病の関連性」を認めていて、男性では統計的に有意な差はなかったそうです。しかし、「男性だから炭水化物をたくさん食べても糖尿病にはならない」と考えるのは危険です。そもそも、厚生労働省の「平成26年(2014)患者調査の概況」によると糖尿病の罹患者は男性が176万人、女性が140万人と男性の方が多いのです。

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 ではなぜ炭水化物を減らすと糖尿病のリスクが減るのか。「炭水化物とは」でお伝えしたように炭水化物は「糖質+食物繊維」ですが、糖尿病の原因になるのはこの中の糖質です。糖尿病になる人のイメージは「ケーキやジュースなどの甘い食べ物や飲み物の摂りすぎ」ですが、これも一理あります。

 しかし、一番の大きな原因はお米、パン、うどんです。通常のお茶碗に白米をよそって食べるとどれくらいの糖質を摂ることになると思いますか。答えは約55gです。これは白米150gで計算しています。茶碗一杯の白米の糖質を角砂糖に換算すると約15.7個です。

 友達が珈琲に角砂糖を5個も10個も入れると「おいおい、入れすぎでしょ」と止めたくなりますが、白米を1杯食べるということはそれ以上なのです。

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低炭水化物食(糖質制限)のもう一つの効果

 国立がん研究センターはさらに低炭水化物食(糖質制限)で糖尿病のリスクが減る理由として「魚の摂取」も挙げています。低炭水化物食(糖質制限)ではどうしても肉や魚の比率が高くなりますが、特に魚に含まれているビタミンDやn-3系多価不飽和脂肪酸が2型糖尿病のリスクを減らしている可能性があるそうです。魚に含まれているn-3系多価不飽和脂肪酸とは「EPAやDHA」です。

 しかし、いくらEPAやDHAが糖尿病のリスクを減らす効果があるといっても、サプリメントで摂るのは意味が無いので止めてください。意味がないどころか危険です。EPAやDHAをサプリメントで摂ると脳出血のリスクが高くなるという研究がありますので注意してください。つまり、EPAやDHAを摂るのであれば魚を食べてくださいということです。

 国立がん研究センターの研究をまとめると「炭水化物の量が減ること」と「魚を食べていること」、この2つが糖尿病になりにくくなる原因になるということです。


[補足]
 サプリメントの話題が出たついでの話しますが、サプリメントでビタミンCを摂っても無駄です。サプリメントやジュースに入っているビタミンCは植物から抽出したビタミンCではなく、科学的に合成したビタミンCですので、作用が全く違います。

 本当のビタミンCを使っているサプリメントもありますが、とてもじゃないけど数百円では買えません。ペットボトルのお茶の栄養成分を見ていただくと「ビタミンC」の記載もありますが、このビタミンCはもちろん合成ビタミンCであり、目的は「酸化防止剤」です。

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