GI値とは、食品を食べた時にどれくらいの速度で血糖値が上がるのかを計算した数値です。血糖値がゆっくり上がれば「低GI」、急激に上がると「高GI」になります。GI値の基準は70以上が高GI、55以下が低Gですが、お米やパンは「高GI」、根菜類を除く野菜は「低GI」です。糖尿病の人は特にGI値を気にしています。
今回、私は「血糖値スマートライフ チョコレート」という低GIを謳うチョコレートを買ってきました。
箱の説明を読むと低GIの理由は砂糖に代えてアガペ糖を使っているからだそうです。アガペという植物の樹液がアガペ糖の原料です。
(ウイキペディアより引用)
この箱に書いてある説明は砂糖のGI値は60であるのに対して、アガペ糖は20.9ですので、血糖値が上がりにくいということです。この商品にはアガペ糖の他にココアパウダーも入っていますが、ココアパウダーのGI値は20くらいです。ですので「血糖値スマートライフ チョコレート」のGI値は20くらいではないかと予想できます。確かに低GI食品です。
では今流行りのカカオ成分70%のチョコレートのGI値はどれくらいか。だいたい、GI値は20くらいです。「血糖値スマートライフ チョコレート」のGI値と同じくらいです。
カカオ成分72%のチョコレートは明治から発売されていますが、同じ商品を出しても知名度から勝てるわけがありません。そこで、売りの切り口を「低GI」にすることで、争点をずらしているわけです。マーケティングの視点から考えると素晴らしいですね。
GI値の観点から見ると「カカオ成分70%のチョコレート」と「血糖値スマートライフ チョコレート」どちらを食べても同じと言えます。
GI値よりも糖質量の方が大事?
「血糖値スマートライフ チョコレート」の1枚(5.5g)当たりの炭水化物の量は2.7gです。「糖質量」が書いていないのが不思議ですが(他の商品と較べられてしまいからでしょうね)、この2.7gの中には食物繊維の量も入っているので、糖質量はこれよりも低くなります。
※炭水化物=糖質+食物繊維
※糖質=炭水化物ー食物繊維
ちなみに明治の「チョコレート効果 カカオ72%」の1個(5g)当たりの糖質量は1.63g、食物繊維0.59gです。炭水化物の合計は約2.2gです。
2つの製品は1つ当たりの重さが違うので、重さを「血糖値スマートライフ チョコレート」の5.5gに合わせると「チョコレート効果 カカオ72%」の炭水化物は2.45gくらいになります。明治の方が少し炭水化物の量が少ないです。
そもそも、「GI値を参考にして食品を食べるべきか」を考えてみます。
まず知ってほしいことは、各食品のGI値の調査は健康な人(つまり、糖尿病検査で「正常型」の人)を使って行っているということです。
「糖尿病型の人」と「正常型の人」を比べて、糖質1g当たりの血糖値の上昇幅は「糖尿病型の人」の方が大きくなります。これは常識で考えれば分かりますが、糖尿病の人は程度の差こそあれ、ある程度膵臓の機能が壊れているので、血糖値の上がり方は正常型の人と違います。インスリンを分泌する膵臓が壊れているということは当然、インスリンの出が悪くなるので、血糖値を下げる力はどうしても弱くなります(他にも中性脂肪が多いとインスリンの効きが悪くなるのですが、ここでは説明を省きます)。
ですので、GI値を参考にしていいのは正常型の人だけです。糖尿病の人は例え低GIの食品でも血糖値が急上昇し、糖尿病が悪化する可能性があることを覚えておきましょう。
糖尿病型の人は糖質の絶対量だけを考えてください。つまり、「どれだけ糖質を摂っているのか」です。2型糖尿病で普通体型(60kgくらい)の人が1g糖質を摂ると3mgほど血糖値が上がるので(もちろん、人それぞれ違うので一概には言えません)、できるだけ糖質を摂らないに越したことはありません。
血糖値を上げるのは糖質ですので、できるだけ糖質量の摂取量を減らして膵臓を休ませてください。
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