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糖尿病によるインシュリン注射を止められた私の糖質制限

 

 この記事は40代の男性に書いていただきました。この男性は糖質制限でインシュリン注射を止められたのですが、医師の指導の元で行われました。ですので、今、インスリンを打っている人は糖質制限をしているからといって自分の判断で勝手に止めないようにお願いします。

……….

 糖尿病とは別の病気の治療のために入院していたときのことでした。ある日突然主治医から「今日からインシュリン注射を始め、食事も糖尿病食に切り替える」というのです。なんでも、その日の朝の血液検査で血糖値が500mg/dL以上だったということで、主治医も少し焦っている様子でした。

 主治医が言うには、現在投与している薬には高血糖の副作用があるので、それが原因の可能性もあるが、入院直後の血液検査でも血糖値は高めだったので、おそらくⅡ型だろうとのことでした(ちなみに主治医は糖尿病専門医ではありません)。1日4回(毎食前+就寝前)の血糖値測定とインシュリン注射の生活がはじまります。

 インシュリン注射を始めたことで血糖値のコントロールはある程度できるようにはなったのですが、困ったことも起きました。インシュリンによる血糖値の急激な低下によって、低血糖時に起きる症状と同様の症状(冷や汗・動悸がとまらない等)が頻繁に起きるようになったのです。

 医師も看護師も低血糖症になっているわけではないから気にすることはないというのですが、症状がかなり重かったので、「これはなんとかしてインシュリン注射をしなくて良いようにしなければ」と思うようになりました。それには血糖値を下げるほかありません。

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糖質制限を始める

 一般的な糖尿病食はカロリー制限食であって糖質制限食ではありません。私に提供された糖尿病食も従来どおりのものでした。例えば、ジャガイモをおかずにご飯を食べるというような、摂取カロリーの約60%を炭水化物で摂取するという食事ですが、血糖値は下がりようもありません。まして当時の私は病状との関係で運動は厳禁という状態でしたのでなおさらです。

 また、血液中のアルブミン(栄養状態の指標)の値が極度に下がってしまい「早く退院するためにもたくさん食べてください」とも言われていました。血糖値は下げないといけない、他方で体力をつけられるだけの食事をしないといけないというふたつの課題をどうやって同時に達成するかに頭を悩ませました。

 そこで色々と調べた結果、糖質制限食にたどり着きました。アルブミンを作るためにはタンパク質の摂取が重要です。タンパク質は肉や卵やチーズ等から摂取できます。これは、いわゆるMEC食です。入院患者が独自に食事療法をするというのは大変なことでしたが、必死に説得した結果、なんとか理解してもらい「やらせてみて様子を見よう」ということになりました。

 具体的には、病院食で提供されるもののうち、主食や糖質量の多いおかずを糖質量の少ないおかずに置き換えて食事をするという方法を取りました。血糖値がかなり高かったので、摂取糖質量もかなり厳しめに設定していました(1日あたり30g程度まで)。病院食と置き換える食品については、ネット通販等で低糖質の食材なども購入もしましたが、たいていは家族に食事を用意してもらっていましたので、家族は大変だったと思います。とても感謝しています。

血糖値の推移とインシュリン卒業

 糖質制限を始めてから血糖値は順調に下がりました。当初500mg/dLだったものが、1ヶ月後には300mg/dLを切り、2ヶ月後には200mg/dLを切り、2ヶ月半後には150mg/dLを切るようになりました。

 投薬の副作用もあり、思うように減らない時期もありましたが、インシュリン注射から卒業できる目処がたってきたと感じるようになったのはこの頃です。肉と魚は十分に食べられていたので、もう1つの課題だったアルブミンの値もこの頃にはほぼ正常値まで戻っていました。

 投薬量もずいぶんと減ってきた3ヶ月目には、薬の効き目が弱くなる時間帯の血糖値はほぼ正常値(110mg/dL)で安定するようになり、退院の少し前に、主治医から「血糖値の問題はなくなったので、血糖値の測定もインシュリン注射も終わりにする。あなたの場合はⅡ型糖尿病ではなく薬の副作用による高血糖でしたね。」と言ってもらうことができました。

糖尿病予防としての糖質制限

 無事に、インシュリン注射と糖尿病から卒業することはできました。ただ、問題の薬の服薬がもうしばらく続くのと、父が糖尿病患者であり兄弟も血糖値が高いということで、糖尿病の予防という目的で、退院後も糖質制限を続けることにしました。

 このときはインシュリンを打つ生活に戻るのがとにかく嫌で必死でしたし、退院直後ということもあり外食の機会も多くありませんでしたから、厳しめの糖質制限(1日あたり50g程度まで)を行っていました。その頃の食事例は下記のとおりです。

<朝食>
目玉焼きなど 約3g(調味料含む)
みそ汁   約3g
コーヒー  約1g

<昼食>
市販の糖質オフ麺の焼きそば 約20g

<夕食>
豚しょうが焼き(量多め)約10g
あさりバター 約3g
サラダ 約5g(ドレッシング含む)
糖質ゼロビール 0g

摂取糖質量の合計 約45g

現在の食生活と血糖値

 現在は、薬の服薬も終わりましたので、もっぱら糖尿病と肥満予防の目的で、それまでよりは緩やかな糖質制限(朝夜主食抜き)を続けています。ある1日の食事例は下記のとおりです。

<朝食>
サラダなど 約5g(ドレッシング含む)
卵料理   約3g(調味料含む)
みそ汁   約3g
コーヒー  約1g

<昼食>
かつ丼(並盛り) 約130g
みそ汁 約3g

<夕食>
煮魚  約10g
刺身  約5g(※ほとんど醤油とわさび)
ほうれんそうのおひたし 約2g
焼酎(お湯割) 0g

摂取糖質量の合計 約162g

 糖質量だけを比較するとずいぶん多くなったように思われるかもしれませんが、茶碗1杯のご飯を1日3回食べるとそれだけで糖質量は170g程になります。ですから上記の量でも十分な糖質制限だと思っています。また、調理の際も砂糖ではなくエリスリトールを使い、パン粉のかわりに高野豆腐をすり下ろしたものを使うなどして摂取糖質量が減るよう意識しています。

 予防としての糖質制限は続けられるものであることが大切だと思っていますが、続けていく上で一番大変なのは、昼食と「おつきあい」ではないかと思います。特に昼食は時間・場所等の条件からいろんな制約がついてまわります。

 ですから、私の場合には、昼食はあまりこだわらずに食べるようにしています。むろん、食べ過ぎないように注意はしていますし、余裕のあるときは、コンビニなどで糖質量の低いものを購入して食べるようにもしています。今では糖質を控えた商品がずいぶん増えましたので、とても助かっています。

 また、おつきあいで外食する際も色々と気を遣います。とはいえ、お酒を飲みに行くということであれば、居酒屋さんのメニューには糖質量の少ないものがたくさんあったりしますから、そういうものを意識して注文するようにしていますし、大皿料理等は、できる限り取り分け役になるようにして、糖質の多いものを摂らなくて済むようにもしています。

 どうしても・・・というときには、「糖質制限をしている」といって断るよりは、「苦手なのでごめんなさい」という方向でやんわり回避することが多いでしょう。いまの私の糖質制限はあくまでも「予防」なので、直近の食事を厳しく制限するというよりは、長い目で見て無理せず続ける(次の日に挽回することを忘れない)ということを大事にしています。

 甘いものも全く食べないというわけではなく、時々のご褒美としてケーキだって口にしますが、そのときには、次の食事はちゃんと糖質を控えようと自然と意識できるようにもなりました。また、食品の栄養成分表示を確認することも当たり前になりました。誘惑に負けそうなときには、栄養成分表示をしばらく眺めると自然とあきらめられるようになりました。

 肝心の血糖値は、数ヶ月に一度の通院する際の血液検査と気がついたときに自分でもっている血糖値測定器を用いて計測していますが、90~100mg/dLで安定していますので、平常値内を保てています。主治医からは「糖尿病の心配をする必要はなさそうですね」とも言ってもらえています。特にジム通いなどをしているわけではありませんが、体重も横ばいで維持できています。

最後に

  私の入院中の糖質制限は血糖値を下げるという結果を出すための糖質制限だったので、すこし厳しめに実践しました。ライザップの場合も高い目標に到達するための糖質制限ですから厳しめの糖質制限ということになりますよね。だからこその「結果にコミット」なのだと思っています。

 他方で、私が現在行っている糖質制限は「予防」のためであって、「習慣としての」糖質制限です。続けていくことがそのうち習慣となって、それがいつか当たり前のことになるという感じでしょうか。

 そのためには自分にも周りにも無理をさせすぎないことが一番大事なのではないかなと思っています。特に食事の支度を家族がされている場合には、そのご家族の理解と協力は必要不可欠ですから、できることから長く続けていくのが一番大切なのかなと思っています。幸い、今は糖質制限のレシピも食材も豊富ですから、それぞれの目的と程度にあった糖質制限はしやすい環境は整っていると思います。

[参考記事]
「年の糖質制限で25キロの減量。ポイントは糖質offの商品」

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