この記事は糖質制限を実践している60代の男性に書いていただきました。
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糖質制限食を始めたきっかけ
私は現在61歳、すでに現役は引退して年金生活者です。ただ会社員を早期退職して8年ほどになり、今は自宅で野菜作りにいそしむ毎日です。
現役で働いていた頃からストレスと不規則な食事でどんどん太り始め、現役を退いてからも90キロを超えた体重をずっと維持していました(身長は170センチ)。
明らかに超肥満状態でしたが、親が健康な体に生んでくれたせいか、さしたる病気もせず退職までそのままで生活していました。
体に不調が出たのは、退職後5年ほど経ってから。妙に寝つきが悪くなり、夜中に何度も起きてしまう。トイレに行く回数も増えて、最初は年齢によるものかなと軽く考えていたのですが、段々と酷くなり、不眠状態が続くようになったので、久しぶりに医者を訪ねると、開口一番、「高血圧」との診断。
びっくりしました。なぜなら現役時代も血圧は平均120mmhgと健康そのものだったその血圧がなんと180~190mmhgに跳ね上がっているではありませんか。これでは体がいつも興奮状態になり寝付けないはずです。
血液検査を受けた結果、他の数値もガタガタ、長年の肥満を放置した結果が一挙に体を襲っていました。しかし医者が私にした処置はただ薬を処方するだけ、一時的に血圧が下がり数値が改善してもそれは薬の効能が効いている間だけです。薬が効かず血圧が急に上昇したり、寝ることができても一日に4時間ほどです。
そして、いつも体が浮いているような感じがして、そんな状態が2カ月以上続きました。このまま医者の言う通り薬だけを飲み続ける生活ではいずれ命まで失うかもしれない、そんな危機感から自分でなんとか直そうと決意しました。
ただ漠然と病気の原因が肥満からくるのが分かっていたので、「痩せたら治るかもしれない」、そんな思いだけを頼りに自然と糖質制限食を実践することになりました。
何キロ痩せたか
結論から先に言うと92キロあった体重を約1年かけて62キロまで落とすことに成功しました。それも世の中によく流布している短期間で一度に痩せるダイエット方法でなく、食事制限と運動のミックスという素人でも考え付く方法によって、毎月3キロずつ、ゆっくりと痩せていきました。
したがってこの方法は体に負担の少ない痩せる方法だったと今でも確信しています。
どのような食事を食べていたのか。
方法は簡単で当初より、炭水化物の類の食物(米飯、麺類、パン系)を一切食事から抜き、さらに糖質がたっぷり含まれた清涼飲料水の摂取も止めました。飲むのはただ真水かお茶だけ。
食べていた食料は自宅で自作していた野菜、スーパーマーケットで安価にかつ大量に手に入る卵、納豆、豆腐類です。また、釣りも趣味のひとつだったので魚もタンパク質の一部として積極的に取り入れました。肉についても摂取は特に制限はしませんでした。
とにかく徹底したのは炭水化物類の摂取を一切取らなかったことだけ。それと毎日当たり前のように取っていた3回の食事を2回に減らし、取った時間帯は朝と遅めの昼食だけです。午後7時を回ると一切の食べ物を取らず、水かお茶だけの生活でした。
一方、運動は元々運動神経がそれほど発達していない人間なので、ランニングなどやったらすぐにギブアップすることは目に見えていたので簡単なウォーキングだけをとにかく毎日やりました。
歩くだけなら誰でもできます。最初は30分ほどからスタートさせて、最後は毎日1時間のウォーキングを日課としました。自分に無理をせずやれることをする、これが長続きのコツです。
途中で諦めそうになったこと
お腹が空いて腹いっぱい食べたいとか、そんな衝動に駆られたことなどないと言ったら嘘になります。しかし健康を害した時の苦しさを頭に思い浮かべたら、絶対に糖質制限をして痩せると改めて自分に言い聞かせたものです。だってお医者さんは薬で症状を改善するだけで、根本的な病気の原因を取り除くのは自分しかないのですから。
自分が「やめたい」という誘惑に負けたらそれで終わります。健康状態がどんどん悪くなっていくのは目に見えています。ただ、自分の実践していることを背後から応援してくれるような何かが欲しかったので、糖質制限食に関するデータをネットや書物で同時に探しました。
すると思いもかけず、自分の実践している糖質制限食にたくさんの実践者がいることや、またお医者さんの中にも積極的に糖尿病対策、肥満対策などに積極的に取り入れている方がいることに巡り合うことができて、改めて自分のやっていることに希望が持てるようになりました。人は自分のやっていることに自信がないとき、なにか支えになるものを求めるものですね。
外食ではどうしていたか
幸い、現役のサラリーマンと違い忙しいというわけではなかったので、慌てて仕事の合間に外食でラーメン・ライスをドカッと取るなどということはしませんでしたが、それでも長い期間の糖質制限食の格闘には時には自分にご褒美を与えたいものです。
そんな時は無理をせず、配偶者と外食に出かけ、少しだけ贅沢をしたものです。ただ食事の中身はできるだけ炭水化物の類は摂らなかったことは同じです。ただどんどん体重が減っていたので、後半になったら当初より気持ちに余裕が少し出て、外食では炭水化物も少量ですが摂っていました。
長い格闘が終わったあと
約1年かけた糖質制限食の実践の結果、体重は30キロ落ちて、体は劇的な改善をしました。具体的には高血圧は元の安定した状態に戻り、睡眠薬を処方されても一日4時間ほどしか寝られなかった体が薬なしで普通に7~8時間取れるようになりました。
さらに親から遺伝的に引き継いでいた喘息まで体重が70キロを切る段階でほとんど薬を必要としない状態まで改善しました。特に喘息は長い間自分を苦しめていた持病なので、まさか薬を必要としない生活が送れるようとは奇跡が起こったとしか言えません。まさに糖質制限食は私の前に現れた神様のような存在です。
今振り返るに、おそらく現代人は大なり小なり、この炭水化物の過剰摂取によって不必要な病気を抱えているのではないかと考えています。私の体験がそれを物語っています。慢性化し深刻になってしまった病気なら薬なしの生活は成り立ちませんが、私のレベルなら「糖質制限食」だけで病気を治すことは可能でした。
今では体質改善が進んで体が糖質を欲しがらなくなったので、食事も一日2回のままですし、炭水化物もご飯はお茶碗に半分ほどで60キロ台の体重をキープできています。もちろん健康状態は良好です。
健康な生活を送るためには肥満は百害あって一利なしです。自分が肥満だなと感じている人にはこの糖質制限食は自分の意思で実践できる自然療法としてぜひおすすめの方法です。
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