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糖質制限の理解で必要なケトン体と糖新生とは

 

 糖質制限でダイエットを考えている方ならば「ケトン体」「糖新生」というキーワードを聞いたことがあるはずです。「名前は何となく知っているけれども、何かダイエットの役に立つの?」という程度の方も多いと思いますが、糖質制限を行なうのであればケトン体と糖新生については絶対に理解しなくてはいけません。

 では初めに糖質制限とケトン体の関係を説明してきます。

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■ケトン体は中性脂肪を分解した後に作られる

 普通の食事をしている場合、脳などの組織を動かすエネルギー源として使われるのはブドウ糖です。

 しかし、糖質制限をしている場合、食事に占める糖質の比率が約12%と低いため、絶えず炭水化物由来のブドウ糖をエネルギー源とすることは出来ません(12%は一番厳しい糖質制限の場合)。

 では糖質を制限している場合、何をエネルギー源としているのか。体内のブドウ糖が枯渇してくると中性脂肪が分解されるのですが、この時に肝臓で作られる物質がケトン体です。このケトン体がブドウ糖の代わりに使われます。人間の脳はブドウ糖しかエネルギー源とすることができないと誤解している人がいますが、ブドウ糖の供給が途絶えた時にはケトン体も脳のエネルギーとして利用されています。

 ケトン体は脳だけではなく、内臓や骨格筋などを動かすエネルギー源としても使われます(肝臓だけはケトン体を生産するだけで、自身を動かすエネルギー源としてケトン体を消費することはありません)。

 ケトン体は普通の食事をしている人でも「寝ている時」や「空腹の時(食後5時間くらいから)」には体細胞の主要なエネルギー源として使われていますので、糖質制限を行なっている人にだけ特別に産出される物質ではありません(糖質制限を行っている場合にはほぼ全ての時間(食事をしている時でさえ)ケトン体がエネルギー源として使われています)。

 次は糖新生について説明します。

■糖新生は中性脂肪からブドウ糖を生産する

 先ほど説明したように通常は「炭水化物(糖質)から作られたブドウ糖」が体(体細胞)のエネルギー源として使われますが、これが枯渇した時、ブドウ糖は体内にある成分から作られます。それが中性脂肪です。

 肝臓で中性脂肪が分解されるとグリセロールが出来るのですが、これがブドウ糖の原料になります(他にもアミノ酸や乳酸などからもブドウ糖が作られますが、説明を簡潔にするため省略します)。このグリセロールからブドウ糖を産出する仕組みを糖新生と言います。

 ケトン体や糖新生によるブドウ糖の供給により我々の体は炭水化物からのブドウ糖の供給がなくても血糖値を正常に維持することができます。

[参考記事]
「炭水化物とは」

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