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大食いユーチューバーの血糖値はどれくらい上がるのか:驚異の「インスリン爆発」と体の代償

大食いユーチューバーが一度の動画で摂取するカロリーは、時に5,000〜10,000kcal、糖質量にして数百グラムから1キロを超えることも珍しくありません。一般的な成人の1日の摂取目安を1食で軽く超えるこの行為は、医学的に見れば「極端な糖負荷試験」を自ら行っているような状態です。

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1. 血糖値は意外にも「爆上がり」しない?

意外かもしれませんが、多くの一流大食い選手や、代謝が正常なユーチューバーの血糖値は、「健康な成人の食後高血糖の範囲(140mg/dL〜200mg/dL程度)」に収まるケースが多いことが、いくつかの臨床的測定データから示されています。

  • 驚異のインスリン分泌: 英国で行われた研究(British Journal of Nutrition)などのエビデンスによれば、健康な人が一時的に極端なドカ食い(ピザを通常の数倍食べるなど)をしても、血液中の血糖値は異常な高値を示さないことが確認されています。

  • 理由: これは、体が大量の糖分に反応して、通常の50%増し、あるいはそれ以上の「猛烈な量のインスリン」を即座に分泌するためです。膵臓がフル回転して血糖を力ずくで細胞内に押し込むことで、血管内の糖濃度を一定に保とうとする「ホメオスタシス」が機能しています。

2. 「血糖値スパイク」と血管への甚大なダメージ

血糖値が正常範囲に収まっているからといって、無傷であるわけではありません。問題は、数値の「絶対値」よりも、急激な上昇と下降を繰り返す**「血糖値スパイク」**にあります。

  • 血管の傷: 糖が一気に流れ込むと、活性酸素が大量に発生し、血管の内壁を傷つけます。これを頻繁に繰り返す大食い習慣は、20代や30代の若さであっても、血管の老化(動脈硬化)を劇的に進めるエビデンスとなっています。

  • 低血糖への揺り戻し: インスリンが過剰に出すぎるため、食後数時間で今度は血糖値が急降下し、「反応性低血糖」を引き起こします。これが大食い後に襲ってくる強い眠気や、激しい倦怠感の正体です。

3. 「胃」が血糖値をコントロールしているという説

大食い選手には、特殊な消化管のメカニズムが備わっているというエビデンスも議論されています。

  • 胃の拡張と吸収速度: 大食い選手の胃は、数リットルという単位で拡張します。胃に大量の食べ物が留まっている間は、小腸へ送られるスピードが(満腹中枢を無視して食べ続ける技術により)一定にコントロールされるため、糖の吸収が「一気に」ではなく「長時間持続して」行われることがあります。

  • 吸収不全の可能性: 一部の大食い選手は、摂取した栄養を100%吸収せずに排出してしまう「吸収不全に近い状態」を体が維持することで、急激な血糖上昇を回避している可能性も指摘されています。

4. 長期的なリスク:膵臓の「β細胞」の寿命

医学的エビデンスにおいて最も懸念されるのは、膵臓の寿命です。

  • β細胞の疲弊: インスリンを作る膵臓のβ細胞には、一生のうちに作れるインスリンの総量(あるいは活動限界)がある程度決まっているという説があります。毎回数倍のインスリンを出し続ける大食い習慣は、膵臓を通常の数十年分早く使い倒していることに他なりません。

  • 糖尿病への移行: 若い頃は膵臓のパワーでねじ伏せられていた血糖値も、ある日突然、膵臓が「沈黙」することで、コントロール不能な重度の2型糖尿病へと一気に移行するリスクがあります。

5. 2026年:ユーチューバーと「可視化」の時代

近年、リブレ(CGM:持続血糖測定器)を装着して大食いを行い、その数値を動画で公開するユーチューバーも現れました。

  • 個体差の可視化: 同じ量を食べても、血糖値が140mg/dLで止まる「大食い体質」の人と、300mg/dLを超えてしまう「隠れ糖尿病」状態の人に分かれることが、リアルタイムデータで証明されつつあります。

  • 視聴者への警告: これらの動画は、エンターテインメントであると同時に、「素人が真似をすれば即座に代謝異常をきたす」という強力な医学的警告(エビデンス)としても機能しています。


結論:大食いユーチューバーの血糖値は「膵臓の命を削って」守られている

大食いユーチューバーの血糖値がそれほど上がっていないように見えるのは、彼らが「糖尿病にならない体」を持っているからではなく、「膵臓がまだ最強の出力を維持している」からです。

  • エビデンスのまとめ: 一時的なドカ食いはインスリンの大量分泌でカバーされるが、その代償として血管壁へのダメージと、膵臓の早期老化が確実に進行している。

大食いという活動は、まさに自らの「寿命(膵臓の寿命)」をエンターテインメントに変えて提供している、極めてハイリスクな行為であると言えるでしょう。

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