この記事はトレーナーの方に書いていただきました。
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私は、トレーナーを職業とする者です。日々のクライアントへの指導の経験から、食事での注意点、トレーニングの実践内容を中心に執筆させていただきます。
まず、私は最初に食事(糖質制限)のカウンセリングを行ないます。クライアントはここで糖質制限とは何かを知ることになり、数か月間、糖質制限食を実践していくことになります。
一般的には糖質制限という言葉を聞くと、皆さんは糖質を減らせば良いという認識のみで食事を行なう場合が多いのではないでしょうか。
また、今まで3食しっかりとご飯を召し上がる習慣が日本人にはあるので、なかなか3食すべてを取り除くとなると、いきなりそんなことできないのではないかと不安でいっぱいで皆さん初日のカウンセリングを終えます。
食事の内容
食事の細かい内容ですが、糖質(米やパン、麺類、甘いものを想像していただければと思います)をまず3食の中から、すべて取り除く意識で行っていただきます。厳密には糖質量1日50g以下の内容を実践していただきます。
さて、糖質量50gというのは大体コンビニで売っているおにぎり1個分ほどです。想像以上に少ないかと思われますが、例えばサラダに使っているドレッシング、野菜にも糖質量が多いものがあります。野菜は何でも食べてもOKではないのです。例えば根菜(にんじん、ごぼうなど)類は糖質量が多いので、代わりに何を食べるのかというと緑野菜(キャベツやブロッコリーなど)です。
糖質制限で減量を成功させるにはあと2つ大事なポイントがあります。
重要な要素その1 タンパク質
タンパク質は体をつくる材料です。髪の毛やつめなどもそうですし、ボディメイクにおいて一番重要なのは筋肉を作る材料になるということ。
タンパク質はどんな食べ物に含まれるか。それは肉や魚、卵、大豆などです。タンパク質は1日に体重1㎏あたり1.5g~2gは採らないといけません。
例えば100gの肉にはタンパク質が20g前後含まれております。納豆は100g当たり16.5g、黒マグロは100g当たり26.4のタンパク質を含みます。そうなると体重50㎏の人を例にするとタンパク質は100gほど摂らないといけないのです。ということはお肉で摂取するとなると500gのお肉が一日に必要な量となりますね。
タンパク質が不足すると筋肉が減少し、基礎となるエネルギー消費が減ってしまい、太りやすい、リバウンドしやすい体となってしまいますので注意が必要です。食事はもちろんの事、運動後や間食ではプロテインなども飲むことで、体づくりをサポートできます。
重要な要素その2 脂肪
脂肪分はとても大事なポイントです。一般的に脂肪分はカロリーが高いのが知られているため敬遠される方が多いかと思います。痩せるためにはササミを食べるなどストイックな光景を想像される方も多いかもしれませんが、糖質制限では脂肪分もしっかりと摂らないといけないのです。
それは脂肪分は体の中でホルモンなどを作る材料となるからです。脂肪分が不足するとホルモンのバランスが崩れ、例えば女性の方だと生理のサイクルに影響を与えたり、体に不調を起こすことなどがあります。
できるだけ体に良い脂肪分を摂取した方が良いでしょう。例えば炒め物にはごま油やオリーブオイル。アボカドやナッツなども良質な脂肪分と言われています。
悪いイメージの脂肪分で言えばマーガリンなどがあげられるでしょう。洋菓子や菓子パンなどに含まれる脂肪分などは摂取すると体から離れづらいともいわれています。
できるだけ間食などでナッツなどを補給し、炒め物には油を使い、肉は少し脂肪のついた部位(もも肉やロース肉など)を召し上がって充分に、ダイエットは可能なのです。
筋力トレーニングの効果
食事をさらに効果的なものにするには筋力トレーニングが重要です。筋肉は基礎代謝を増やすので、食事制限のみを行うよりもはるかに効果的なボディメイクとなるのです。
トレーニングでの大切なポイントとしては常に新鮮な刺激を与えることと、より重たい物を持ち上げたり、より回数を増やしていくことが重要です。
人間の体は同じことを繰り返していると体は適応してくるのです。以前より強い刺激を筋肉に与えることで体は変化を起こそうとして筋力を上げ、筋肉をより大きくしようとするシグナルが与えられるのです。
トレーニングの種目としては皆さんよく御存知のスクワット。トレーニングジムではおなじみのベンチプレスなどの種目もあります。
もちろんトレーニングではフォームが重要となります。フォームが間違えたままトレーニングが実践されるとケガや関節に負担ばかりかかり、ターゲットとする筋肉にしっかりと刺激を与えることができません。
フォームを見てくれるトレーナーなどがついた状態でそのような種目を行うことが重要です。トレーニングは週に2,3回は行ないたいところですね。最初のうちは筋肉痛に悩まされるかもしれませんが、数週間すると筋肉痛の度合いが少しずつ弱まってくるはずです。体も少しずつ変化があるとモチベーションが上がってきます。
外食、食事例
世の中にはいろいろなお仕事をされている方であふれています。その中で重要なのは自身のライフスタイルに合った糖質制限を行っていくことが重要です。
接待が多い方であれば、食べるものを選択する習慣がとても大事になります。例えば、お酒はビールよりもウイスキーや焼酎などの蒸留酒をお勧めいたします。味付けは甘い物はまず手を付けず。塩味がベースとなるもの、衣がついていないもの、刺身やシンプルな肉料理などを中心に選択するのです。
私も糖質制限を行なっていますので、食事例を紹介します。
[朝食]
サラダ(茹でブロッコリー 半房をマヨネーズをつけて)、焼き鮭1尾 味噌汁(豆腐とわかめ)、納豆1パック
[昼食]
外食にてチキンステーキ(ソースは使いません。テーブルサイドの塩コショウで食べます)
[間食]
ナッツ(私はくるみなどをよく食べます。)を手づかみで一握り分ほど
[夕食]
サーモンの刺身(1パック分などをスーパーで購入します)、サラダ(もやし、キャベツ、レタスなどその日の気分でいろいろな物)。
その他トレーニングを行った日はトレーニング後にプロテインを摂取します。もちろん、プロテインにも糖質の多い物、少ない物がありますので成分表示にてチェックをします。
私の3か月の糖質制限
●身長162cm、体重72㎏、年齢30歳、男性
私の糖質制限での減量前のプロフィールです。
ボディビルコンテストに参戦するため私は3か月の糖質制限を行ないました。ペース配分がとても重要になります。例えば1か月目でごっそり落としてしまおうなどと考えないようにします。1か月に10キロも落とす必要はありません。一気に落としすぎると筋肉の減少が激しくなり、皮膚のたるみなどが生じます。
私は1か月4キロのペースで減量を行なっていきました。1日の栄養摂取量はタンパク質130g、糖質20g、脂肪分を65g程度です。体重の落ちが悪くなったときは、脂肪分の量やタンパク質の量に波をつけたりしました。タンパク質を減らして、脂肪分を増やしたり、糖質をさらに減らして、タンパク質を増やしたり、全体のカロリーは下げないようにすると不思議と体は反応します。
1か月4キロペースを維持して、私は3か月で12キロの体重を減らすことができました。体脂肪率に関しては14%から4%まで減らすことができました。10%の減少となります。
最後に
私の食事例を中心にご紹介させていただきましたが、どんな食材を召し上がるかは自分の食べやすい食材で良いでしょう。鶏肉が苦手なら牛肉、肉が苦手なら魚
また、甘いものを食べたくなる方もいるでしょう。私もその一人ですが、例えば今はコンビニやスーパー、又は通販などで糖質制限用のスイーツやダイエット飲料などがたくさんあります。賛否両論あるかとは思いますが(人工甘味料に関して)、一時的なダイエットで活用するには私は賛成です。ゼロカロリーコーラやゼロカロリーゼリーなどは私も良く利用したものです。ですが、特に人工甘味料などを摂取して体の不調を感じたことはありません。ストレスをためすぎないこと。
結果を急ぎすぎないことと、何より大事なのは継続することです。自分自身をよく理解し、食材を選び、トレーニングでも中途半端に行うのではなく徹底的にトレーニングに集中し行うことで体の変化がわかり楽しくなっていくものです。皆様も無理のないやり方でボディメイクを楽しんでみてください。