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炭水化物を抜くと筋肉は落ちるのか

 炭水化物(糖質)を抜くと筋肉は落ちると言っている人がいますが、これは嘘です。炭水化物を抜く食事を糖質制限食と言いますが、この食事法は糖質を約10%(通常は60%)ほどしか摂りません(厳しめの糖質制限の場合)。

 糖質を60%摂る食事の場合、糖質を胃や腸でブドウ糖に分解して、それを脳などを動かすエネルギー源としているのですが、糖質制限食の場合は食べ物から供給される糖質が少ないので、糖新生というシステムでブドウ糖を作り出します。

 糖新生とは「筋肉などのタンパク質」や「中性脂肪」などを分解してブドウ糖を生み出す仕組みです(参考記事「糖質制限の理解で必要なケトン体と糖新生とは」)。ですので、それが炭水化物を抜くと筋肉が落ちる根拠に使われています。

 しかし、糖質制限とは関係なく、人体のタンパク質は毎日体重1kgにつき4gから5g古いものから新しいものへと入れ替わっており、これは筋肉のタンパク質でも同じです。つまり、炭水化物を食べても食べなくても筋肉などのタンパク質は絶えず分解され、そして合成されているのです。

 合成に利用される新たなタンパク質は肉や魚などから供給されたり、分解されたタンパク質を再利用して作られるので、糖質制限食を食べていても筋肉が落ちることはありません。

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実際の私の筋肉量は

 私は緩い糖質制限を実践していますが、筋肉量は平均より上です。

 では次は私の血液検査のアルブミンの数値を見ていただきます。アルブミンは血漿タンパク質のことを指すのですが、筋肉の原料にもなります。アルブミンの基準が3.8から5.2g/dlなのに対して、私のアルブミンは5.0g/dlです。私の場合、筋肉の原料は十分あるということです。

 糖質制限をすると痩せるので、筋肉も痩せると思われてしまうのですが、それは私のデータから見ると嘘です。筋肉が痩せると噂が広がった原因は確か週刊誌だったと記憶しています。私みたいにデータを出してくれればいいのですが、そうではなく普通のおばさんやおじさんが証言の中で言っているだけとかそういうレベルですので、笑ってしまうのですが(笑)

 そもそも、アメリカの糖尿病学会は正式に糖質制限食を糖尿病食として認めていますが、糖質制限食が危ない食事法だったら認めるどころか批判していると思うのですが。少なくても皆さんが実践する緩い糖質制限では筋肉に全く影響がありませんので、安心してください。

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