糖質制限食は糖質を減らす代わりに脂質を多く摂るので内臓脂肪が増えるのではないかと考えている人がいるようです。通常の食事の脂質の割合は25%であるのに対して、糖質制限食では56%です。
具体的には
[一般的な食事]
糖質60:タンパク質15:脂質25
[一番厳しい糖質制限]
糖質12:タンパク質32:脂質56
糖質制限では脂肪は増えるのか
確かに糖質制限の場合、これだけ脂質が多いと内臓脂肪が増えるのではないかと思うのは当然です。内臓脂肪が増えると高血圧、糖尿病、心筋梗塞などになりやすくなりますが、内臓脂肪が増える原因は脂肪ではなく実は糖質です。
なぜ、糖質が内臓脂肪を増やすのか。炭水化物とは糖質と食物繊維が合わさったものですが、この中で血糖値を上げるのは糖質です。血糖値が上がるとインスリンが分泌されるのですが、このインスリンは血糖値を下げると同時に余ったブドウ糖を中性脂肪に合成する作用があります。ですので、糖質を摂りすぎると内臓脂肪が溜まりやすくなります(中性脂肪が内臓に溜まると内臓脂肪になります)。
逆に糖質制限をすると中性脂肪が分解されてエネルギーが作られるので、内臓脂肪は減りやすくなります。糖質制限では食事から摂れる糖質が少ないため、食事からのブドウ糖をエネルギー源としてあまり使えません。その代りに中性脂肪からケトン体を作り、これをブドウ糖に代わるエネルギー源にして内臓や脳などを動かしています(ケトン体については「糖質制限の理解で必要なケトン体と糖新生とは」を参考に)。ですので、糖質制限をしている人は中性脂肪の数値が基準値以内の人が多いです。
実際の私の中性脂肪の数値
私は緩い糖質制限を実践して1年以上になりますが、主食はお肉や魚、野菜、タイズ製品です。このような食事をしていて中性脂肪の数値が高くならないの?とよく聞かれますが、私の血液検査の結果を見せると一発で納得します。血液検査の結果、中性脂肪の数値は46mgでした。149mgまでが正常ですので、私の数値は全く問題ない数値です(当然、内臓脂肪も少ないです)。中性脂肪からケトン体を作り、それをエネルギーにしている証拠です。
ちなみに痛風の原因である尿酸の数値も全く問題ありませんでした。尿酸値が7以上になると痛風になりやすくなります。
ある美容外科の医院長のサイトに「糖質制限を行なった結果、中性脂肪や尿酸値が増えたので止めた」と書かれていたのを読んだことがあります。糖質制限を実践してから、尿酸値が8.6、LDLコレステロールが274になったそうです。
私のLDLコレステロールは107、HDLコレステロールは81。全て基準値以内です。コレステロールの数値は単体の数値より「LDLコレステロールとHDLコレステロールの比率」が重要なのですが、この比率が2以下だと動脈硬化の心配が少なくなると言われています。私の「LDLコレステロールとHDLコレステロールの比率」は1.3です。
美容外科の医院長の糖質制限の食事内容は書いてなかったので分かりませんが、糖質制限のやり方を間違えているのではないかと推測します。考えられるとすると肉や魚だけを食べて、野菜、ワカメ、大豆製品などを食べなかったとか?
私の糖質制限では以上のような良好な結果が出ていますので、美容外科の医院長には私のサイトをじっくり読んでいただきたいです(笑)