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糖尿病性網膜症をきっかけに糖質制限を始めました

この記事は60代の男性に書いていただきました。

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 糖尿病性網膜症だと判明するきっかけは「虫が最近よく目の周りを飛んでいるように見える」と言う感覚からでした。実際は飛んでいないのに、私にだけはたくさん飛んでいるように見えており何でこんなに飛んでいるんだろう?と不思議に思った私は不安になり家族にその事を訴えました。

 するとみんな心配そうな顔をし「飛蚊症か何かは分からないけど、眼科へ行きなさい」と言い出したのですぐさま眼科へ行きました。最初は年齢のせいかな?最近寝不足だったから目が充血してたのかな?疲れてたのかな?と、まさか大きな病気が関係しているとは夢にも思っていませんでした。

 実際に眼科へ行き眼球の検査を先生にしてもらうと、虫に見えた最大の原因は目の中の出血でした。その出血している量は少なかったのですが、「もしかしたら糖尿病性網膜症かもしれない」との事で、大きな病院で診てもらう為、紹介状を書いてもらい、詳しく検査をする事になりました。

 検査の結果は、眼科の先生の言った通り本当に糖尿病性網膜症でした。まさか私がと言う思いだったので、その時は頭が真っ白になりました。糖尿病性網膜症は糖尿病の合併症ですので、長い間、高血糖状態を放っておかなければ発症しません。ということは私は長い間糖尿病と気づかず、生活していたことになります。

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糖尿病と診断される前の食生活や生活習慣

 私は、食べたい物を食べたい時に食べ、飲みたい物を飲みたい時に摂取する。そんな自由な食生活が多く、朝食を食べた後は必ず間を空けずにおせんべいやアイス、ビスケットや食パンなどを間食する癖がありました。

 昼食後も必ずデザートのような甘い物が欲しくなってしまい、アイスを3本食べる事もあれば1箱1人でたえらげる事もありました。

 食事と一緒に飲む飲み物も、お茶などではなく常に炭酸飲料のジュースを合わせて摂取する事が多く、今思えばどれだけの糖質を摂取していたか。考えただけでも恐ろしいです。

 食事もほぼ穀物類が多いメニューが多く、白米も200グラム以上(普通茶碗大盛り)毎食食べていました。お米の糖質量だけでも最低74グラムですので、お米以外を合わせると確実に100gを超えています。それに加えて先ほど書いたようにアイスやジュースを飲んでいましたので、1日で計算すると恐らく500gくらいは超えていたかもしれません。

 朝・昼・晩と間なく間食を繰り返したり、だらだら食べ続けていた事が血糖値を上げ続けてしまう原因になったのかもしれません。

 おまけに運動もほとんどしておらず、動く事と言えば犬の散歩でたまに歩く程度でした。移動のほとんどは車で済ませる事が多く、歩くと言う習慣が今思えばありませんでした。運動に関しては健康の為にしなくちゃいけないと頭では分かっているのですが、どうしても体のだるさを言い訳にして怠けてしまいました。

 こんな生活習慣ですので、糖尿病性網膜症になっても不思議ではありません。

糖尿病性網膜症と診断されてからの生活

 糖尿病になると必ずと言ってよいほど治療食としてカロリー制限を食べますが、無理をすればそれがかえってストレスとなり、食事制限の持続が出来なくなります。

 私がお医者様に言われた言葉は「無理をしては意味がないので、あくまでカロリー制限をするのではなく糖質制限を意識して取り組んでみましょう」との事でした。お米やパンに麺類等、私たちの主食は、そのほとんどが糖質量が多い食品ですが、糖尿病と診断されたので、これらの主食を減らすしかないと覚悟をしました。

 診断されてからは食生活・生活習慣等を改めようと、食べ物のカロリーや糖質の量が分かる本などを購入し買い物の参考にしました。

 糖尿病性網膜症になると最悪失明することもあるので、血糖値が上がらない食生活を心がけました。糖質制限で有名な江部康二先生によると糖質制限で血糖値をコントロールすれば糖尿病性網膜症の進行が止まることもあると言っていますので、これを信じて糖質コントロールをしています。カロリー制限食による治療をしても糖尿病性網膜症による失明者が減っていない現実があるので、やはり糖質をいかに減らすかが重要かと認識しています。

 実際のメニューですが、朝・昼・晩共に必ず野菜・大豆・海草・きのこ類を多く摂るようにしました。そして夜はお米を食べない代わりに肉を多めに摂り、朝と昼は魚が中心です。

 糖尿病患者にとって気を付けるべきお米ですが、だいたい朝・昼は80グラムで統一し、夜は食べないことにしました。白米80gの糖質量は約30gですので、少し多いですが、お米自体の量はすごく少量です。ですので、その代わり、おかずは多めです。

 食事の後にいつも飲む飲み物に関しては、ジュースを止め、天然水やお茶に変えたり、炭酸水にしました。

 運動においては、夕食後に犬の散歩を率先して行くようにし、なるべく意識して長い時間歩くようにしてみました。私の場合は家族の支えもあり、一緒に歩いてくれる事も多いので楽しく持続できています。

 以上の生活を続けた結果、血糖値やHbA1cの数値は驚く程下がりました。初回の診断では血糖値161で、HbA1cが9.3ありましたが、現在では血糖110で、HbA1cが5.7まで下がり、通院回数も現在では2ヶ月に1回になりました。必ず眼底の検査もしてもらっています。

 糖尿病は完治する病気ではないので、いかに血糖値をコントロールするかが肝です。これからも糖質制限を続け、失明だけは防ぎたいです。

[参考記事]
「糖尿病性の網膜症と腎症になり35歳で人工透析に至るまで」 

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