糖質制限食で高血圧は改善できるのかを説明する前に、高血圧についての基本的な知識を知っておいてください。高血圧の原因はまだ分かっていないところが多いのですが、タバコの吸い過ぎ、お酒の飲みすぎ、塩分過多、肥満、糖尿病などに当てはまる人は高血圧になりやすい傾向があります。
例えば糖尿病患者の50%前後は高血圧であるし、肥満の人は普通体型の人に比べると2倍以上高血圧になりやすいという統計があります。
「高血圧と糖尿病の関係」と「高血圧と肥満の関係」を分けて説明します。
なぜ糖尿病の人は高血圧を伴っていることが多いのか
それは糖尿病の人はインスリン抵抗性を持っているからです。インスリン抵抗性とは「インスリンに対する細胞の反応が弱くなること」です。インスリンは筋肉組織などの細胞が血中のブドウ糖を取り込むのを助け、細胞はそれをエネルギーとして使います。その結果、血液の中の糖が減ることになります。
しかし、インスリン抵抗性を持っている人は細胞がブドウ糖を取りこむ力が弱く、中々血糖値が下がりにくくなります。そうすると膵臓は血糖値を下げようとさらにインスリンを分泌させようとします。そのため、この過剰になったインスリンがアドレナリンなどの血圧を上げるホルモンの分泌を促し、血圧が上がってしまうのです。
肥満が高血圧に繋がる3つの視点
①太っている人は痩せている人と比べて血液の量が多いので、心臓から血液を送り出す時の圧力を強くしないといけません。
これが高血圧に繋がります。
②太っている人はたくさん食べるため、その時に一緒に摂る塩分も多くなり、それが高血圧に繋がってしまうことも理由として挙げられます。
③太ることによって内臓脂肪が溜まってしまうと先ほどお伝えしたインスリン抵抗性が起こりやすくなります。
以上高血圧が起こる原理を糖尿病と肥満の観点から説明しましたが、糖質制限食は元々糖尿病を治療するための食事法であり、痩せる効果も高いです。その結果、インスリン抵抗性も改善し、血圧を上げる要因が無くなります。
実際に糖質制限食で糖尿病を治療している江部康二先生は糖質制限食で高血圧を改善することは出来ると言っています。ですので、糖質制限食と血圧は密接な関係があることは間違いなさそうです。
[参考記事]
「糖質制限食を実践すると体脂肪率はどれくらいになるの?」