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糖質の摂り過ぎが招く、低血糖症と副腎疲労

 

 「糖質の摂り過ぎはよくない」ということは、今や多くの人たちがご存知のことだと思います。糖質を摂り過ぎれば血糖値が上がり糖尿病になることは常識ですが、それとは逆に「低血糖症」になることはあまり知られていません。糖尿病と低血糖症を同時に抱えている人も多く、糖質の害は非常にやっかいです。

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1)「低血糖症」とは?

 「低血糖症」とは名前の通り、血糖値が低い状態になる症状のことを言いますが、原因はインスリンが「適切なタイミング」で分泌されなくなることです。

 通常は糖質を摂って血糖値が上がるとインスリンが適切なタイミングで分泌されますが、低血糖症になる人の場合、インスリンが遅れて分泌されます。そしてインスリンが遅れて分泌されるため、血糖値が正常になった後でも分泌が出続けることになり、血糖値が下がり過ぎてしまうのです。

 インスリンの分泌について補足しておきますが、インスリンは「基礎分泌」と言って、糖質を摂らなくても一定量の分泌は絶えず出ています。糖質を摂った時にインスリンが分泌されるのが「追加分泌」ですが、通常の食事をしている人の追加分泌は基礎分泌の10倍以上あります。

 先ほど糖尿病(もしくは境界型糖尿病)と低血糖症を同時に抱える人が多いと書きましたが、糖尿病の人は膵臓が弱っているため、インスリンの分泌が遅れる傾向にあり、低血糖症にもなりやすいです。

低血糖症の主な症状は、
・疲労感、だるさ
・脱力感、無気力感
・不安感、情緒不安定
・神経過敏
・判断力低下
・震え
・空腹感
・筋肉痛
・頭痛

などがあります。

2)「低血糖症」と「副腎疲労」の関係

 血中の糖度が下がった際に、副腎からコルチゾールなどのホルモンが出て、下がり過ぎた血糖値を上げて調節するしくみになっています。

 低血糖症の場合だと、下がっている血糖値を上げようと、常に副腎がホルモンを分泌させ、働き続けることになり、副腎が疲弊してしまいます。疲弊してしまうと、ホルモンをうまく分泌できなくなり、血糖値が下がった状態でも、上げることができません。この状態が副腎疲労です。

 低血糖症と副腎疲労を同時に抱えている人が多いというのも、こういう理由からです。

3)なぜ低血糖だと「疲労感」が出るのか?

〇エネルギーの吸収量が少ないから

 糖は体にとってのエネルギーであり、必要な栄養素です。血糖値が低く過ぎると、体の各部にエネルギーが行き渡らなくなり、機能が低下し、疲れやすくなります。

〇自律神経の乱れで機能低下が起こるから

 低血糖状態が続くと、体は血糖値を上げようとアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンを分泌します。副腎から出るアドレナリンなどのホルモンは、交感神経を刺激し、交感神経優位の状態が続くと、自律神経がバランスを崩し、体にいろいろな不調を引き起こします。

〇エネルギーの産生量が少ないから

 糖質を分解、吸収する際に必要なのはビタミンミネラルですが、これらが大量に使われるため不足を招きます。エネルギーを産生するのに必要なビタミンミネラルが不足してしまうため、必要なエネルギーがうまく作れなくなってしまいます。

4)低血糖症を改善するためにできること

(1)糖質の摂取を減らす

 基本はこれになります。糖質制限をすることによりインスリンの過剰な分泌が無くなり、低血糖症になりにくくなります。通常の食事の場合、追加分泌が10倍以上でることは先ほどお伝えしましたが、糖質制限をすると2倍程度の追加分泌で済みます。

(2)血糖値が上がりやすい食べ方をしない

 空腹時に糖質をとると血糖値が上がりやすくなります。食べる順番として、野菜やタンパク質などのおかずを先に食べ、その後にご飯やパンなどの炭水化物を摂るようにします。

 また、GI値の高いものは血糖値が上がりやすいので、なるべく低いものを選んで食べるようにします(GI値とは、食品ごとの血糖値の上昇率を表す値)。

[参考記事]
「血糖値を上げやすい高GI食品とは」

(3)嗜好品を控え、ビタミンミネラルの多い食事をとる

 たばこやアルコール、お菓子などの嗜好品はビタミンやミネラルを大量に消費してしまうので、エネルギーを産生する量が減ってしまいます。嗜好品の摂取は控えるようにし、不足を予防するため、野菜などの栄養素が豊富な食事をとるようにします。

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